ルアーは基本的に動かして魅せる。それによって、バスは気づいて寄ってくる。しかし、それがあからさまになると、プレッシャーから反応が鈍くなってしまう。そこで、「動かさない」というメソッドがある。
ルアーを動かさないからといって、何もアピールしないかといえばそうではない。たとえば、ジグ系を軽くボトムでシェイクすれば、ボトムの泥を巻き上げて、砂埃が上がる。それが、バスに何かいることを知らせる。
もうひとつは、好奇心が旺盛で反応しやすい、ギルや小バスにつまませるという方法もある。大きめのルアーであれば、ギルや小バスは、くわえこむということができない。しかし、ラバーをつまんで持ち上げたりはできる。そうした行為は、バスに何かを知らせる。
そして、それを横取りさせる気にすることもできる。動かさないというメソッドは、周囲を巻き込んで、より自然に、バスにアピールすることを意味する。今、自分のルアーが、どういった状況にあるのか。何を活かしてアピールすることができるのか。
状況が厳しくなればなるほど、こうした突き詰めることが、きっかけになる。まったく何も巻き込まなければ、バスには何もアピールすることができない。
ルアーとは、「魅せる」ことであることを基本に、どう「魅せる」かは、ルアーの力だけに頼らない。「魅せる」というテクニックとは、自然を巻き込んでいくということでもあるのだろう。