ルアーフィッシングの歴史は永い。ラパラがルアーを作り始めたのが、1930年代だから70年以上になる。今ではルアーとしては当たり前であるリップも、始めてそれを生み出すことの想像力は素晴らしいと感じる。
無機質なルアーに命を与えるために、ただリアルに魅せる以上のものを求めた過去の賢人たち。往年のルアーの創成期をみると、その試行錯誤が見えて面白い。そうした変遷を経た上で現在にまで、引き継がれてきたルアー。
洗練されたきた基本的な容姿は完成されている。現代となっては、もはや深く考えることもなく、ルアーのタイプというものに従うことができる。
しかし、基本的な形状を似せることだけでは、そのルアー本来の意図の上面をサラッとなぞることに過ぎない。ルアーを作るときに大切なことは、そもそもそれが、何を意図としているかということだ。
それを知るには、ルアーの変遷は参考になる。自分たちが生まれるずっと前から考えられたこと。道具は日進月歩、進化している。それに伴って、釣り方も進化していると言えるだろうか。
サカナはずっとサカナであったことを、これからもそうであることを忘れてはならないと思う。