スピナーベイトのブレードタイプ

スピナーベイトは、ブレードの組み合わせが自由だ。その中でも、ダブルウィローやタンデムウィローなど、定番とされる組み合わせもある。そういった組み合わせがある中で、スピナーベイト本来の性能を余すところなく、発揮するならば、シングルコロラドがいい。

ウィロータイプよりもコロラドタイプの方が、水への掴みがよく抵抗感が強い。また、フロントブレードが無い分、振動は失われず、ダイレクトにアングラーに伝わってくる。扱っていて、わかりやすい分、集中力も持続できるタイプだといえる。では、フロントブレードの意味は何なのか。それは、インジケーターであるということができる。

インジケーターとは、計器。つまり、スピナーベイトの動きを知る計器だ。スピードメーターがスピードを知るための計器であるように、フロントブレードは、スピナーベイトの状況を感知するインジケーター。フロントブレードは、ブレード回転を吸収するスイベルを介さず、クレビスによってワイヤーに直結している。

その分、リアブレードより水の動きに敏感に反応し伝える。バスがスピナーベイトに当たるように来たがバイトしなかったような、前アタリなどの動きは検知しやすい。また、障害物に当たったときなどの変化も伝わりやすい。ダブルウィローは、フラッシング効果を狙ったものだという見方もあるが、コロラドタイプとの計器の性能の違いだと認識した方が適当だ。

コロラドタイプは、計器性能には優れているが動きが明確な分、場を荒らしてしまう要素もある。それに比べ、ウィロータイプは、コロラドタイプよりも計器性能が劣る分、サカナへのインパクトを抑えることができ、場を荒らすことを軽減することができる。

スピナーベイトのリアブレードの大きさは、そのまま波動の大きさになる。つまり、それはベイトサイズということもできる。ブレードが大きくなれば、揚力も増すから、ヘッドウェイトで押さえ込む。

だから、スピナーベイトのウェイトは、水深で使い分けるのではなく、使いたいブレードサイズで選ぶ。フロントブレードは、その大きさを増せば、インジケーターとしての機能を向上することができる。しかし、全体の揚力に与える影響も出てくる。

バスが最も釣れている水深は、統計的に1.5m〜2.5mだという。スピナーベイトはそのレンジをターゲットにし、リアブレードとヘッドウェイトで調整しているから、ウェイトの違いでフロントブレードの大きさを変えることは、その基本的な考え方を乱すことになる。

だから、フロントブレードのサイズは、ウェイトが違えども共通の大きさになっているものもある。インジケーターとしての役割を重視しリアブレードの仕事を邪魔しない大きさに設定しているのだ。

もちろん、フロントブレードにはバイブレーション効果もあるので、どこに着目し何を優先するかは、開発者次第であるともいえる。フロントブレードの位置付けをどのように理解するか。

それは、スピナーベイトのラインナップと、そのブレードの組み合わせを見れば大体分かる。「形は機能に従う」という。こういうものだと、深く考えないで終わらせて仕舞うこともできる。

しかし、フロントブレードの役割をどう捉えるか。それは、そのままスピナーベイトによるアプローチや姿勢に奥行きを与えていく。

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